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はれ
バタバタしていたらあっという間に年末が来てしまいました。
生徒さんのお一人、インタビューの勉強をされている榎田智子さんが記事にしてくださいました。
インタビューを受けるのは初めてで、簡潔にまとめてくださいました。
面白かったです。榎田さんに感謝!
✨✨
インタビュアー:榎田智子
取材相手:守 啓伊子
(もり けいこ/ 長唄三味線奏者)
*以下敬称略
榎田:守先生と音楽との出会いを教えてください。
守:14歳の頃見た葉加瀬太郎の「クライズラー&カンパ
ニー」に衝撃を受けたんです。もう本当にかっこよくて。
葉加瀬太郎が東京芸大在学中と聞き、芸大に憧れました。
榎田:それで芸大を目指したんですか?
守:いえ、最初は普通の大学の文学部に入学しましたが、
志望校ではなかったため挫折感があって。三味線にはそ
の頃出会いました。師匠の演奏がかっこよかったんです。
榎田:そこから大学を中退して三味線の道に?
守:一応その大学は卒業するのですが、4年生になって
将来を真剣に考えた時、芸大への憧れが再燃しました。
榎田:葉加瀬太郎のインパクトは相当強かったのですね。
守:はい。芸大なら、三味線でも何でもよかった(笑)。
芸大には2浪して合格しました。実は浪人時代にアルバ
イトしていた画廊のオーナーに、後継ぎの話を持ちかけ
られるんです。それもいいなぁと。お陰で最後の受験は
リラックスできました。ダメなら画廊のオーナーになれ
ばいい。ところが、受験の最中にオーナーが急逝したん
です。そうなると、もう三味線しかない。
榎田:オーナーが後押ししてくれたとしか思えません。
守:はい。今でも不思議な縁を感じます。でも入学後、
継続する方がずっと難しいことに気づきました。大学の
友人で、今でも続けている人はごく僅かですから。
榎田:環境など自分でどうにもできないこともあります。
守:そうですね。逆にたとえ嫌だと思っても、長く続い
ていくものには縁を感じます。距離を置いてもまた縒り
が戻ってくる友人とか。仕事もそうですよね。
榎田:続けるために先生が力を入れていることは?
守:自分の「場所」を作ること。人の評価を気にしすぎ
るより、自分の身の丈に合うことをやっていきたい。コ
ンサートや他分野とのコラボを企画したりして、自分の
土俵を作り、環境を整えることに今は夢中です。